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海外ドラマもあるぞ! ゴールデングローブ賞のあれやこれやまとめ

|まとめ

出典:http://www.historiasdecine.com/globos-de-oro-2016/

毎年1月に発表される「ゴールデングローブ賞」。世間様的には2月に発表される「アカデミー賞」の前哨戦として注目されるアワードだ。だがしかーし、「ゴールデングローブ賞」は映画のためだけの賞ではない!我々海外ドラマファンが注目すべきなのは、映画部門ではなくテレビドラマ部門なのだ。
毎年ノミネート作品が発表されるのは12月。あらら、もうあと2ヶ月くらいじゃないの。というわけで「ゴールデングローブ賞」をめぐってみんながざわつき始める前に、「ゴールデングローブ賞」のあれやこれやを予習しておこうではないか。

意外に知られていない「ゴールデングローブ賞」の生い立ち

「ゴールデングローブ賞」が始まったのは1944年。はじめは映画の賞として開催された。アカデミー賞が始まったのが1929年だから、遅れること15年って感じかな。そしてテレビ部門が新設されたのは1955年度からだ。やっぱテレビは後付けだったんだねえ。まあテレビの方が映画よりも歴史が浅いんだから当然っちゃあ当然なんだけどね。
でもって主催しているのはハリウッド外国人映画記者協会(Hollywood Foreign Press Association, HFPA)。この協会がなかなかにすごい。というのもメンバーはたったの90人しかいないのだ。少なっ!アカデミー賞を主宰する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の会員数が6000人以上いることを考えたら、1票の格差半端ない。
このHFPA、どうしても会員数を増やしたくない模様で、入会基準を「南カリフォルニアに家がある外国メディア向けに働いている記者で、現メンバー2人の推薦が必要、しかもメンバーの誰かに反対されたらダメー」などなどハードルをかなり高めに設定している。その代わり会員になれると年間300回を超えるHFPA独占取材に参加できるし、いろいろな取材でもと〜っても優遇されるんだとか。いいなあ。まさに特権エリート組織って感じだね。
でもって一番びっくりするのが、なんで「ゴールデングローブ賞」を始めたか。実は映画スタジオやスターたちともっと仲良くなってより取材しやすくするためには、素敵なパーティに招いて賞をあげたらいいんじゃないってことになったんだとか。なるほど〜。だからあのパーティ形式授賞式なんすね。しかもその様子をNBCテレビで中継することで、賞としての知名度や格を上げてきたってわけだ。さすがエリート組織、ただの外国人記者集団とは違うなあ。
でもでも会員数たった90人ってことで、賞獲得のためにハリウッド側からの過剰な接待や金品が飛び交うのはどうやら日常茶飯事らしい。そういえばその昔新人でもなんでもない女優がビリオネアの夫にお金をばらまかせて「ゴールデングローブ賞」新人賞を獲ったっていうスキャンダルがあったっけ。なるほどね。
まあでも明らかにおかしな受賞は今の世の中大炎上しちゃうだろうし、収益金の多くを映画関係のチャリティに寄付してるっていうから、暖かく見守ってあげようではないか。

他のアワードとはここが違うぞ「ゴールデングローブ賞」

アメリカ・ショウビズ界には4大アワードと言われるものがある。映画の「アカデミー賞」、音楽の「グラミー賞」、演劇の「トニー賞」、そしてテレビ放送の「エミー賞」だ。そのどれもがショウビズの1つの分野に特化しているのに対して、「ゴールデングローブ賞」は映画とテレビの2 分野を網羅しているところが最大の売りだ。映画で14部門、テレビで11部門そして長年にわたって映画界に貢献した人物に贈られるセシル・B・デミル賞が表彰される。
「ゴールデングローブ賞」もう1つの特徴は、ミス/ミスター・ゴールデングローブの存在だ。これは授賞式でアシスタントを務める若手俳優のことで、毎年ハリウッド著名人の娘や息子が選ばれることになっている。つまりゴールデングローブお墨付きの二世俳優(最近では三世もいるらしい)になれるというわけだ。いやいや、これこそ「ハリウッドの皆さんともっと仲良くなりたいです!」というコンセプトで始まった「ゴールデングローブ賞」にぴったりの企画ではないか。しかも1962年から続いてるっていうんだから、さすが。さぞかし選ばれた若手のパパママ俳優たちは取材に協力してくれたことだろう。最近選ばれた顔ぶれをご紹介すると、ジャック・ニコルソンの娘ロレイン・ニコルソン、メラニー・グリフィスの娘ダコタ・ジョンソンのほか、マイケル・J・フォックスの息子サム・フォックスはクリント・イーストウッドの娘フランチェスカ・イーストウッドと共に2013年の第70回授賞式でアシスタントを務めた。うーん、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』ファンなら大喜びの組み合わせだね。イーストウッド家では、過去に姉のキャサリンも選ばれている。さすがは叙勲経験もある元市長俳優だけのことはあるなあ。ちなみに前回の第73回でミスに選ばれたのは、ジェイミー・フォックスの娘コリーヌ・フォックス。第74回は誰の娘息子が選ばれるのか、こちらも目が離せないぞ。

「ゴールデングローブ賞」日本関連トリビア

「ゴールデングローブ賞」の歴史を紐解いてみると、意外や意外日本人も関わっておりまする。
何てったって主催者であるHFPAにも3人の日本人記者がメンバー入りしているのだ。3人目の小西未来氏がHFPA入りしたのは2011年のこと。この時オーストリア、フィンランドの記者と合わせて3人だけが新メンバーになっている。本当に狭き門なんだなあ。
受賞関連でいうと、テレビドラマシリーズ部門で1981年に『将軍 SHOGUN』島田陽子が主演女優賞を獲得している。ブラボー!
映画部門では『硫黄島からの手紙』が2007年外国語映画賞に輝いた。2014年には宮崎駿監督作品『風立ちぬ』も外国語映画賞にノミネートされたが受賞は逃した。菊地凛子も2006年『バベル』で助演女優賞ノミネート止まりだった。さらに昔に遡れば、1957年に京マチ子が『八月十五夜の茶屋』で主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされている。この映画、主演男優はマーロン・ブランドとグレン・フォードという豪華なキャスティングで作品賞にもノミネートされていたのだが、残念ながら金の地球儀は『王様と私』に持って行かれてしまった。
いやあ、やっぱりアメリカのアワードは日本人には敷居が高い……かと思いきや、実は音楽部門で意外な頑張りを見せているのだ。例えば坂本龍一は、3回も音楽賞にノミネートされている。そのうち1987年『ラストエンペラー』と1990年『シェルタリング・スカイ』では見事受賞を果たしているのだ。また、1993年には『天と地』で喜多郎が音楽賞に輝いている。
そして何より嬉しいのは、ゴールデングローブの公式テーマ。2012年第69回ゴールデングローブ賞の授賞式から使われているこの曲を作曲したのは、あの元X JAPAN、YOSHIKIなのだ。第70回と言う節目の年には映画作曲賞発表の場面でステージ上にも登場し、日本人初の快挙を成し遂げたんだとさ。次は是非とも日本人俳優をステージ上で見たいなあ。

今年のノミネート前にまずは第73回のおさらい

年末には第74回のノミネーションが発表される。今年の傾向と対策が気になるところだが、まずは前回の見直しをしておこう。
一言でいうと、ドラマをめぐるネット配信の大きなうねりがアワードにも届いてきたのが2016年の第73回授賞式だった。Netflix 8部門、Amazonビデオ5部門、Hulu1部門ということで計14部門にオンライン番組がノミネートされたのだ。なのになのに、授賞式を放送するNBCの番組はなんとゼロ〜。しかも実際、コメディ/ミュージカル部門の作品賞と主演男優賞はAmazonの『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』が見事受賞を果たした。まさにネット配信ドラマ時代の幕開けとなったのだった。
そんな中ドラマシリーズの主演男優賞にシリーズ終了した『MAD MEN マッドメン』のジョン・ハムが選ばれたことはなんだかホッとした出来事だったなあ。
そして海外ドラマにあんまり詳しくない人たちの間でも話題になったのは、「レディ・ガガ、ゴールデングローブ賞テレビ部門主演女優賞受賞!」のニュース。正式にはテレビ部門ミニシリーズ/テレビ映画女優賞なんだけどね。ドラマ部門女優賞のタラジ・P・ヘンソン『Empire 成功の代償』やコメディ/ミュージカル部門女優賞のレイチェル・ブルーム「Crazy Ex Girlfriend」もいるんだからね。まあ世界的に有名な人がサプライズ的に受賞すればそれだけ賞の格も上がるだろうってなわけで、マスメディア的には盛り上げるだけ盛り上げた感じだった。それでも受賞作『アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル』でテレビドラマ初主演だったガガ様が受賞に感極まる姿は、ドラマファンにも感動の嵐を巻き起こしたのだった。

どうなる今年の第74回

「ゴールデングローブ賞」の公式サイトを見ると、今年の司会者が発表になっている。それはジャジャーン! ジミー・ファロンなのだ。
ジミー・ファロンといえば、NBCの深夜のトーク番組『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』の司会者である。そう、なんだかよくわからないけどいつも笑い転げているあの楽しそうな人だ。「ゴールデングローブ賞」には今までに何度もプレゼンターとして登場しているが、司会は今回が初めて。どんなエンターテイメントに仕上げてくれるのか今から楽しみだ。
その他の情報は……もちろんまだ出ていない。そりゃあそうだ。ノミネートの発表は12月12日だからね。それまでは、自分の一押しドラマがノミネートされるのを信じて待つも良し、過去の傾向を分析して予想をリストアップするも良し。ある意味海外ドラマファンにとって至福の時間とも言えるかもしれない。

おわりに

いかがだっただろうか。第74回ゴールデングローブ賞授賞式はアメリカ東部時間2017年1月8日(日曜日)8時〜11時に行われる。アメリカでは例年通りNBCで全国放送され、日本でも例年通りならAXNで生中継してくれるはずだ。いやあ、今から年明けが楽しみで仕方ない……が、うかうかしてもいられないぞ。今のうちにノミネートされそうな作品を見ておかなくっちゃ。ああ、時間が足りない!海外ドラマファンって忙しいね。

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