海外ドラマ・パラダイス! 日本のテレビ放送局まとめ
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海外ドラマ好きの皆さん、毎日海外ドラマ見てる〜?見てるよね〜。だって今の日本ときたら、朝も早よから草木も眠る丑三つ時(古っ!)まで海外ドラマを放送していない時間帯は一切ないほどの海外ドラマ・ブーム。そこで、今回は日本で海外ドラマを放送しているテレビ局について、徹底調査してみよう。
1990年代の海外ドラマ・ブームを支えたBSチャンネル
地上波での海外ドラマ枠がどんどん減り始めた1990年頃、海外ドラマの間口をどーんと広げてくれたのがBS・CSの衛星放送だった。中でもBS放送は地上波局のNHKと民放各局が素早く参入し、それまでとは比べ物にならないほどたくさんの海外ドラマが放送されるようになったのだ。
2016年現在で海外ドラマを放送しているBS局は、地上波系を除けば5局。開拓の祖WOWOW、FOX系唯一のBS局=FOXスポーツ&エンターテイメント、ディズニー系列のディズニー・チャンネルとDlife、もともとは映画専門チャンネルのスターチャンネルだ。
日本版ペイパービューの元祖「WOWOW」
WOWOWの登場は有料で番組を見るという新しい概念を教えてくれた。実はNHKだって受信料を払っているから有料チャンネルなのだが、そこはなんとなくニュアンスが違った。スクランブル放送じゃないし。とにかくビジネスホテルの有料チャンネルみたいにスクランブルかけられてるチャンネルの登場はちょっとした衝撃だった。
海外ドラマ的には、開局と同時に放送した『ツイン・ピークス』が大ヒット。有料でも見たいという気持ちを一気に高めてくれた。その後も『フレンズ』『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』『クリミナル・マインド FBI行動分析課』といったビッグな作品をはじめ、数え切れないほどの海外ドラマを日本に初紹介してきた。
イギリスのコメディやシットコムなどなかなかにニッチな分野も積極的に放送しているところに、攻めの姿勢を感じさせる。
海外ドラマ・ファン向けのサービスもなかなかの充実ぶり。Twitterやブログで最新情報や裏話を発信するのはもちろんの事、メンバー用アプリ「ドラマde英語」が注目されている。音声を録音するとセリフが表示されたり、好きなセリフを集められたりと、海外ドラマ・ファン心をくすぐる秀逸な作りで神アプリとの呼び声が高い。
ハリウッド系に強い「スターチャンネル」
スターチャンネルはもともと映画専門を謳っていた。そのためハリウッド作品に強みがあるのが特徴だ。特に「ONLY ON STAR」と銘打った独占放送のラインナップは超ゴージャス!! 番組表を見ると、最近話題の作品だけでも、『ゲーム・オブ・スローンズ』、『TRUE DETECTIVE』シリーズ、『GIRLS/ガールズ』などなど、エミー賞・ゴールデングローブ賞獲得作品がキラ星のごとく並んでいる。
チャンネル構成は、TV初登場作品を中心に最新ヒット作・話題作を放送するメガヒット・チャンネルである「STAR1」、映画特集チャンネルの「STAR2」、日本語吹き替え版を放送する「STAR3」の3段構え。新シーズン開始前には前シーズンまでの一挙放送をやったり、関連ドキュメンタリーの放送などで盛り上げたりする手法も好評だ。
海外ドラマ・映画関連グッズを販売するオンラインショップもあり、スターチャンネル限定特典付き商品も扱っている。海外ドラマ・ファンならチャンネルを合わせずにはいられない放送局なのだ。
ペイパービュー全盛時代に嬉しい無料チャンネル「Dlife」
衛星放送を受信出来る環境さえあれば誰でも契約なしで見ることができる、つまり無料でとっても敷居の低〜いチャンネルがDlife。ありがたい。
実はBS放送事業立ち上げのためにウォルト・ディズニー・ジャパンが立ち上げた100%子会社なのだ。ディズニーといえば米ABCネットワークの親会社、ということでABC系のドラマを中心に放送、という触れ込みで開局した。
ということで、『デビアスなメイドたち』『殺人を無罪にする方法』『プリティ・リトル・ライアーズ』といったABCネットワーク系話題作を日本初放送しているのは、無料チャンネルとは思えないグッジョブ、いいぞ。
今ではABCにこだわらず、CBSの『ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル』、FOXの『X-ファイル』、USAの『ホワイトカラー』などなど好き嫌いなく雑食系に成長した。
『LAW & ORDER: クリミナル・インテント』(NBC)、『NCIS』シリーズ(CBS)、『BONES -骨は語る-』(FOX)といったクライムミステリーのライバル番組を一つの局で見ることができるなんて、ある意味本国アメリカより恵まれてるのかもね。
映画専門からの転身「イマジカBS」
もともと「洋画★シネフィル・イマジカ」というチャンネル名で東経110度デジタル放送していた「イマジカBS」。その名の通り映画専門チャンネルだったのだが、2012年からBSデジタル放送にお引越し〜、と同時に名前も変えて海外ドラマ放送も始めちゃったのだ。記念すべき海外ドラマ放送第1弾が『PAN AM/パンナム』だったことを覚えている人も多いかもしれない。
それ以来『ローハイド』から『セルフリッジ 英国百貨店』まで新旧取り混ぜてなかなかに多彩な番組表を毎月見せてくれる。
企画物にも力を入れていて、特に英国ドラマ・映画のラインナップには自信がある模様だ。雑誌「SCREEN」との共同開催で英国男優総選挙も開催しているので、ぜひお気に入りのテレビ男優に一票を投じたい!
BSセレクションはまだまだな「FOXスポーツ&エンターテイメント」&意外と外せない「ディズニー・チャンネル」
FOXスポーツ&エンターテイメントは、スポーツのち海外ドラマ、たまにオーディション番組といった時間配分で番組表が作られている。独占放送や初お目見えのものは少ないが、中には『フアン家のアメリカ開拓記』のようにアメリカの放送日と大差ない日程で放送されるものもある。FOX系の利点を生かしてさらなる飛躍を期待したいところだ。が、FOXの海外ドラマ本領はCSで堪能するとしよう。
ディズニー・チャンネルはご存知ディズニー・アニメを中心にティーン向けのドラマなどを放送している。アメリカでは1980年代に開局したのに、日本での放送が始まったのは意外にも2003年とちょい遅め。ディズニー贔屓の日本なのにね。それはさておき、ディズニーのティーン向けドラマはニュー・アイドルの宝庫!マイリー・サイラス、セレー・ナゴメス、ブリちゃんはもちろんのこと、ライアン・ゴスリングやジャスティン・ティンバーレイクなんかもディズニー・チャンネルから羽ばたいたスターなのだ。アップ・カミング・スター探しには絶対に外せないチャンネルだね。
番組表を見るだけでテンションが上がるCS放送
ケーブルテレビとかスカパー!とかフレッツなんかと契約しないと見られないCS放送。でもでもそのチャンネル数と番組の選択肢は本当に魅力的だ。その番組表ときたらもう、宝の山! 1960年代ものから日本初登場の最新作までまさにより取り見取り。海外ドラマの醍醐味である「イッキ見」放送もたびたび行われていて、毎日が海外ドラマ祭りなのだ。どこで睡眠をとるか計画しておかないと、もう何日間も眠れなくなりそうな感じだ。くれぐれも「ウォッチング・デッド」にならないようにご注意されたし。
その名の通りドラマだけに特化している「スーパー!ドラマTV」
「海外ドラマを見るならスーパー!ドラマTV」のキャッチコピー通り、24時間休むことなく海外ドラマだけを放送している海外ドラマ・ファン的に外すことが出来ないチャンネル。ドラマの月間放送本数、およそ20番組超!シーズンごとにカウントするとなんと45本以上を放送しているのだ。
『ブラックリスト』『メンタリスト』『SCORPION/スコーピオン』などなど話題の最新作を独占日本初放送するだけでなく、ミステリーからコメディまで幅広いジャンルを網羅しているあたり、「スーパー!」の名前を冠するに恥じない働きぶりだぞ。
1997年に「スーパーチャンネル」としてCS放送を開始した時には、『スタートレック』シリーズの連続放送が話題を呼んだ。
1950年代の『アンタッチャブル』や『ローハイド』、1960年代の『奥様は魔女』や『スパイ大作戦』、1970年代の『白バイ野郎ジョン&パンチ』や『ハッピーデイズ』、1980年代の『特攻野郎Aチーム』や『ファミリー・タイズ』、1990年代の『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』や『LAW & ORDER』、そして2000年代の『The OC』や『クリミナル・マインド』などなどその時代を象徴するようなドラマをこれでもかというほどにラインナップしている。
ソニー・ピクチャーズがグローバルに展開しているチャンネル「AXN」
日本のAXNが海外ドラマ・ファン的にとってもとっても大切な理由、それはプライムタイム・エミー賞の授賞式を日本独占放送しているから。エミー賞といえば海外ドラマ界のアカデミー賞のようなもの。1年で1番盛り上がるお祭り的瞬間と言っても過言ではないのだ。アメリカ本国ではNBC、FOX、ABC、CBSの四局持ち回りで生中継をしているというのに、日本ではAXN独占とは、やるなあ。
さらに言わせてもらえば、ゴールデングローブ賞を日本で中継しているのもAXN。こりゃ相当太いパイプをハリウッドにお持ちだ。
肝心のドラマ放送はというと、もちろんお約束の24時間ぶっ続けドラマ三昧である。『CSI』シリーズのような大人向けご長寿番組から『GOTHAM/ゴッサム』や『ARROW/アロー』のようなアメコミ原作ドラマまで充実のラインナップ。しかも放送とリアルタイムで様々な情報を発信する連動企画「WATCHWITH」や、海外ドラマに関する様々な話題をブログ形式で投稿する「海外ドラマBOARD」などで視聴者とのコミュニケーションを取ろうとしている姿勢が好感度高し。
そんなAXNには姉妹チャンネルとしてAXNミステリーというミステリーに特化したチャンネルがある。「ミステリーに国境なし!」というわけで、「ジェシカおばさん」の次にいきなり「浅見光彦」が登場したりなんかするのが、実に面白い。日本のドラマとアメリカのドラマの質感の違いみたいなものを目の当たりにできたりするわけで、そこがまたコアなファン心をくすぐってくれるというわけだ。
日本でも一大グループを築いている「FOX」チャンネルズ
米21世紀FOX傘下の強みを生かして日本で7つものチャンネルを運営するFOXインターナショナル・チャンネルズ。中でも海外ドラマ・ファン的に押さえておかなければいけないのが、「FOX」と「FOXクラシック 名作ドラマ」だ。
『FOX』は時代の鏡のように、その時々で最も話題の作品群の中から目玉番組を放送してきた。そのコンセプトは、アメリカの最強エンターテイメントを最速でお届け!その昔は『プリズン・ブレイク』や『24-TWENTY FOUR-』がFOX一家の大黒柱として大人気だった。が、現在は『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』や『ウォーキング・デッド』へと代替わりしている。
「ヨルオビ」「イッキ見サンデー」「ありえないラインナップ」といった企画放送にも力を入れていて、一度放送を始めた番組は最後まできっちり放送してくれるという男気溢れるチャンネルでもある。
一方「FOXクラシック 名作ドラマ」はその名前の通り、爆発的人気を誇った何度でも観たくなるあの海外ドラマを放送している。『奥様は魔女』から『SATC』まで、あなたのお気に入りもきっとラインナップされているはずだ。
CSならではのニッチさ!「ヒストリーチャンネル」
正式名「ヒストリーチャンネル 日本・世界の歴史&エンタメ」の名の通り、歴史に特化したエンターテイメントを届けてくれる専門チャンネル。歴史に関係ありそうなものなら、旧約聖書から宇宙人、未確認モンスターまでかなりの雑食ぶりを見せてくれる。
オリジナル制作番組はほとんどドキュメンタリーだし、NHKの番組をたくさん放送しているのでお勉強っぽいチャンネルかしらんと思いきや、実はドラマもたくさん放送しているのだ。例えば『ザ・パシフィック』。スティーヴン・スピルバーグ、トム・ハンクス、ゲーリー・ゴーツマンの製作総指揮で200億円をかけたという大作戦争ドラマだ。第62回エミー賞で最多8部門を獲得したことでも知られている。そりゃあ歴史の語り部ヒストリーチャンネルとしてはぜひ放送したいところだろう。
他にもアメリカ人の大好きな「ローマもの」として『ザ・ローマ 帝国の興亡』や『バーバリアンズ・ライジング~ローマ帝国に反逆した戦士たち~』なんかもラインナップ。歴女・歴男の皆さんには欠かせないコアなチャンネルなのだ。
CS放送は意外なお宝が眠っていることも……
海外ドラマ枠を持っているチャンネルは他にもある。LaLaTVとチャンネル銀河がそれだ。が、分量的には、国内ドラマ>韓流ドラマ>海外ドラマといったところである。海外ドラマ・ファン的には、はっきりいって不満!しかし他局とは違うラインナップを用意しているので、あの見逃したマニアックな番組が再び!という機会に恵まれることもあるかもしれない。
その他にも映画専門チャンネルの衛星劇場でむか〜しむか〜し1960年代のドラマをやってたりすることがあるので、油断は出来ない(笑)。
公共放送局としてなかなか頑張るNHK
その昔ネット配信はおろかBSもCSもなかった時代、海外ドラマを見られるチャンスはとっても少なかった。そんな中意外と頑張っていたのがNHK。
1972年から10年にわたって放送された『刑事コロンボ』は、日本でも知らない人はいないだろう。同じころ放送していた『大草原の小さな家』では「海外ドラマを家族で楽しむ」というスタイルも定着させた。教育テレビ(現Eテレ)平日夕方の「海外少年少女ドラマ」枠で海外ドラマに目覚めたという大人も数知れず。
現在は、NHK総合の日曜夜枠、Eテレの週2枠、BSプレミアムでの週4枠に加えてたびたびスペシャル枠で海外ドラマを放送するという抜かりのないラインナップで私たちを楽しませてくれている。
今の海外ドラマ・ブームの礎を築いたともいえるNHK。ファミリー向けを押さえつつ大人向けもきっちり放送するという、まさしく公共放送らしいスタンスは、今後も変わらないことを祈る。
韓流に力入れすぎじゃない?地上波の民放各局
NHKがなかなかの頑張りを見せる中、海外ドラマ的に実はあまり元気がないのが民放各局の皆さん。地上波での海外ドラマ枠は風前の灯、系列のBS・CS放送でも専門チャンネルに押されっぱなしなのだ。
中でも残念度MAXなのがTBS。1960年代には『コンバット』や『奥様は魔女』、最近では『LOST』『ホワイトカラー』『BONES』『HOMELAND』となかなかのラインナップに思えるのだが、そのどれもが独占放送ではないのだ。しかも2016年4月期はなんと地上波・BSともに海外ドラマの放映ゼロ!
テレビ朝日も現時点で地上波の海外ドラマ放送はない。かつては『ローハイド』や『ララミー牧場』などが大人気で、海外ドラマに強い局というイメージだった。男子の憧れ『ナイトライダー』や一世を風靡した『ルーツ』もテレ朝だったなあ。
日本テレビ、フジテレビは地上波にかろうじて海外ドラマ枠が生き残っている。が、その時間帯は深夜も深夜の1時台、2時台ということで、あまりやる気は感じられないかなあ。BSでも夜遅くの1枠づつということで、なんとも寂しい限りである。
意外にも長続きしている海外ドラマ枠を持っているのは、テレビ東京。平日お昼休みの時間帯を「ランチ・チャンネル」と名付けて、海外ドラマ枠にしているのだ。そのラインナップは『TRU CALLING-トゥルー・コーリング』『CSI:科学捜査班』『ロー&オーダー』となかなかのものだ。
それにしても民放各局の番組表を見てみると、本当に韓流ドラマが多い。大きなくくりで言えば韓流ドラマも海外ドラマであることには間違い無いのだが、やはりここはひとつ、海外ドラマ枠をもう少し増やしてみてはいかが?
おわりに
BS・CSのおかげで朝から晩までテレビで海外ドラマ三昧という環境が整ってから、かなりの年数が経った。2015年にはネット配信ドラマが大躍進を遂げ、海外ドラマを見る環境はテレビだけではなくなってきた。BS・CS各局もオンデマンドのサービスに積極的で、旅先でも通勤通学途中でも海外ドラマが楽しめる環境が整ってしまった(笑)。この先海外ドラマの放送はどこまで進化するのか、しっかりウォッチしていこう!
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