SHERLOCK／シャーロック の作品紹介

21世紀によみがえるシャーロック･ホームズの推理！ 抜群のクオリティで魅せる大人気新感覚ミステリー

2010年イギリスBBC Oneにて1回90分の1シリーズ全3回という構成で放送され、瞬く間に大人気シリーズになった。コナンドイル原作の『シャーロック･ホームズ』を原典として、21世紀のイギリスを舞台に最新テクノロジーを駆使して事件解決に挑む姿を丁寧に描く。英国アカデミー賞、エミー賞をはじめ、受賞歴も申し分ない。

見事すぎる設定＆脚本

そもそも『シャーロック･ホームズ』といえば、推理小説界の王様だ。全世界にシャーロキアンと呼ばれるいわゆるオタクが何十万人もいると言われている。今までにも何度となく映像化され、最近ではロバート･ダウニー･Jrとジュード･ロウの映画が記憶に新しい。その度に原作や以前の映像化作品と比べられ、やたらとハードルが高くなっているはずなのだが、さすが本国イギリスBBC製作。易々とそのハードルを越えてみせた。
その理由のひとつは、時代設定。なんとシャーロックホームズの生きる時代をそっくりそのまま現代に置き換えているのだ。アーサー･コナン･ドイル卿の原作を尊重しつつ、まったく新しいシャーロック･ホームズ像を描き出した脚本は高く評価されている。その高評価を支えていると言われているのは、製作総指揮のマークゲイティスとスティーブンモファット。2人とも脚本とプロデューサーを兼任して、視聴者を謎解きとユーモアあふれるホームズワールドへと誘ってくれる。

華麗なる受賞歴

本作の完成度の高さはそのまま数々の受賞歴へと繋がっている。イギリスだけでも英国アカデミー賞での最優秀テレビドラマ賞、最優秀助演男優賞、脚本賞など、そしてBTJA批評家賞の最優秀テレビ映画賞、最優秀主演男優賞、サウスバンク･アウォード賞での最優秀テレビドラマ賞などなどとらなかった賞はないくらいの華々しい経歴だ。この他にも米国エミー賞や、各国での海外ドラマ部門賞を数え上げればきりがないといった感じだ。

いまどきガジェットのオンパレード

シャーロックホームズのトレードマークといえばパイプと虫眼鏡。これが本作ではニコチンパッチと携帯型顕微鏡に取って代わる。また、ワトソンがつける日記はもちろん日記帳ではなくブログ。これは実際にBBC が「ジョンワトソンのブログ」として公開している。シャーロックは「The Science of Deduction」という自分のウェブサイトを持っている（こちらもBBCが公開中）し、事件解決に重要な役割を果たすのは当然PCやスマホ。ホームズの手にかかれば、ハッキングだってお手の物なのだ。ホームズの情報屋「The Baker Street Irregulars」たちはホームレスたちで、現代のイギリスの状況が浮き彫りになったりもしている。もしもドイル卿が現代に生きていたらまさにこんなホームズ像を書くだろうと納得出来る作りである。

主要キャストも大ブレークの予感

ホームズ役を務めるベネディクト･カンバーバッチはもともと演技力に定評のある若手だったが、本作以降さらに乗りに乗った活躍ぶりを見せている。2010年本作で英国アカデミー賞テレビ主演男優賞にノミネートされたのを皮切りに、2011年にはスティーブン･スピルバーグ監督作品『戦火の馬』、ジョン･ル･カレ原作ゲイリー･オルドマン主演の『裏切りのサーカス』など、米アカデミー賞にノミネートされる話題作に相次いで出演している。『スタートレック』次回作への出演もささやかれて、今や注目の的なのだ。また、ワトソン役のマーティン･フリーマンは2010年英国アカデミー賞で見事助演男優賞を受賞した。2012年には映画『ホビット 思いがけない冒険』で主演を務めるという。この作品にはカンバーバッチも2役で出演するというので、『SHARLOCK/シャーロック』ファンとしてはシリーズ3よりも前に2人の競演を拝める見逃せない作品になる事は間違いないだろう。

更新日2012年9月20日