クリミナル・マインド FBI行動分析課 の作品紹介

最強のプロファイラーユニットBAUを描くクライム・サスペンス・ドラマ。全米各地を舞台に、凶悪犯罪者を追いつめる。

2005年9月より米CBSにて放送開始。シーズン8まで製作決定している長寿ドラマの１つ。（2012年5月現在）FBIに実在する行動分析課（Behavioral Analysis Unit, BAU）に所属する天才プロファイラーたちとシリアル・キラーとの闘いを描く。凶悪犯のそして、BAUメンバーにもある心の闇＝罪なる心（クリミナル・マインド）がこのドラマのキーワードになっている。

日本でもほとんどのシリーズが放映されている大人気シリーズ。科学捜査ものが幅を利かせるクライム・サスペンス界でとことん心理・行動分析にこだわって事件を解決していくプロファイリングものを代表するドラマである。
プロデューサーの一人エドワード・アレン・バーネロはシカゴ市警で警察官として働いた経験を持ち、作品のリアリズムを高めるのに貢献している。また、映画『スピード』『プライベート・ライアン』などの大ヒットやテレビ『グレイズ・アナトミー』の大当たりで知られる大物プロデューサー、マーク・ゴードンも製作総指揮の一人として名を連ねている。

第１シーズンのキャストにはマンディ・パティンキン、トーマス・ギブソン、マシュー・グレイ・ギュブラー、シェマー・ムーアといった面々が集結している。このうちマンディ・パキンソン演じるジェイソン・ギデオンは、シーズン3序盤でBAUを離れたため、残念ながら降板している。代わりに復活してきた伝説のプロファイラー役にはジョー・マンテーニャが起用された。

BAUメンバーはそれぞれ美男美女揃いで魅力的ではあるが、犯罪者以上に目立つことがないのが特徴だ。なぜなら『クリミナル・マインド』では主役はいつも犯罪者、その心に入り込むことがテーマなのだから。そのため犯罪者役のキャスティングは絶妙で、実は製作陣も大変な時間と労力をかけて犯罪者役を選んでいるということだ。
そんな中、番組の名物として評判になったのが、毎回始まりと終わりにBAUのメンバーが格言や文学の一部を引用して語るナレーション。各話のキーワードともサマリーともとれるそのナレーションがとても哲学的で、心理分析を扱う作品としてふさわしい奥行きと印象を与えるものとなっている。
凶悪犯罪を扱うドラマながら、FBIものやサスペンスにありがちな視覚効果狙いの残酷描写が少ないのも、心理劇として優れたものでありたいという製作陣の姿勢が窺える点だ。
もちろん、アメリカンドラマのお約束通り、豪華ゲストの投入やファンイベントへの参加も怠ってはいない。シーズン７では、エミー賞常連の実力派チャールズ・S・ダットンもゲスト出演している。長寿番組であることから主要キャストの来日回数も多く、日本での知名度も抜群だ。丁寧な心理描写でクライムサスペンスは苦手というドラマファンをも獲得している『クリミナル・マインド』、あなたの中にもある「罪なる心」を見つめてみてはどうだろう？

更新日2012年6月26日