グリム兄弟が本当はモンスターハンター!? クライム・サスペンス+おとぎ話は、今最高のホラーになる!
2011年10月より米NBCにて放送開始。『バフィー ~恋する十字架~』のクリエイター・デヴィッドグリーンウォルトが放つ、クライム・サスペンスとファンタジーという反比例要素を大胆にミックスした異色ドラマシリーズ。初回プレミア放送から高視聴率を叩き出し、クライム・サスペンスのファンだけでなくファンタジー好きやホラーファンといった新たな視聴者層を取り込むことに成功した。
Grimm の作品情報

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グリム童話の作者であるグリム兄弟が実は獣人を狩るハンターで、グリム童話はおとぎ話の体でありながらその戦いの記録をプロファイリングするために書き残したものだったという大胆発想から物語は展開していく。グリム兄弟の末裔であるオレゴン州ポートランドの刑事ニックをデヴィッド・ジュントーリ(『コールドケース6』『グレイズ・アナトミー4』)、ニックの情報屋となる善良な狼男モンロー役をサイラス・ウェイア・ミッチェルが演じている。『プリズン・ブレイク』のヘイワイヤー役でいい味出してると評判だったサイラスは、『Grimm』でも緊迫したストーリーの中でなんとなく気の抜ける存在を好演している。そのほかにラッセル・ホーンズビー(『グッド・ワイフ』)、ビッツィー・トゥロック(映画『アーティスト』)、サッシャ・ロイズ(『ウェアハウス13』)、レジー・リー(『プリズン・ブレイク』)といった面々が出演している。
日本でも一時大流行りした「本当は怖いグリム童話」とか「本当は怖い日本昔話」的な童話に隠された暗黒面に焦点を当てているところが、実にズルイ。だって人は誰しも表に見えているものの裏を探りたい欲求をもっているのだ。「ねえ、知ってる? あれってああ見えて実は……」と切り出されて続きを聞きたがらない人などまずいない。初回プレミア放送の題材が、絶対に誰でも知っている「赤ずきん」だったところも巧すぎる。しかも毎回登場するモンスターとの個別対決とは別に、大きな組織だか陰謀だかの陰も見え隠れして、見ているものをがっちり掴んで離さない姿勢はまさにデヴィッド・グリーンウォルトのクリエイション、『エンジェル』の「黒い棘の会」を彷彿とさせる。
獣人たちの特殊メイクもかなりの恐ろしさで、「シュシュッツ」という効果音とともに現れるその顔はちょっとしたお化け屋敷くらいの脅し効果がある。いわゆる「心臓に悪い」系のドッキリ感だ。主人公ニックが獣人の夢を見て夜中に飛び起きるというシーンが何度も登場するが、もしかするとニックと同じ経験をする羽目になってしまうかも……。
クライム・サスペンスものがドラマ界で幅を利かせるようになって久しい感じがある中、「クライム・サスペンスはもうお腹いっぱい!」という視聴者も意外と多いのかもしれない。が、『Grimm』は黒ファンタジーの要素をうまく絡めることでより多くのファン層を獲得し、クライム・サスペンス・ホラーという新しいステージに進んだといえる。シーズン2の製作も早い段階で決まり、長いシーズン展開の予感がいっぱいの『Grimm』、今のうちにぜひチェックしておきたいドラマだ。
